救急・災害時に増えるたこつぼ型心筋症とは

救急や災害時にタコつぼ型心筋症という言葉をよく耳にすると思います。
救急現場で働いていると誰もが起こり得る合併症と言えます。

タコつぼ型心筋症とは

突然発症する左室心尖部の一過性収縮機能低下をきたす心疾患のことです。
急性冠症候群と症状が類似しており鑑別が難しい疾患ですが、一過性で冠動脈に有意な狭窄がないというのがポイントです。

名前の由来は心室収縮終末期に左室尖部が上手く収縮できずに広がった状態になっており、エコーの写真でタコつぼのような形に見えることから命名されたそうです。

医学用語はユニーク名前が少ないので覚えやすいですよね!

症状

  • 突然の胸痛、左上肢~肩痛
  • 胸部違和感・不快感
  • 呼吸困難感
  • 血圧低下
  • ショック

など。

急性冠症候群に類似した症状を認めます。

検査・診断

症状より急性冠症候群を疑いますので、TCSGのガイドラインを基に診断します。

  • 心電図:ST上昇、発症後48時間以内に現れるT波の陰転化
  • 心エコー:心室壁運動異常で診断されることが多い
  • 血液検査:心筋逸脱酵素の上昇の有無
  • 心臓カテーテル検査:急性冠症候群が強く疑われる場合、心臓カテーテル検査を施行し冠動脈の評価を行います。また、タコつぼ型心筋症という診断がつき病状安定後に、不安定狭心症の可能性などもゼロとは言えないので冠動脈の評価のためにカテーテル検査を実施することもあります。

原因と予後

不明。ストレスがかかると発症しやすいと言わており、最初に述べた通り救急患者や災害時ではよく見る症例である。

急性冠症候群に類似した症状を示すが、一過性で冠動脈に狭窄を認めていないため一般的には予後良好で自然に軽快することがほとんどです。

救急看護の対応

救急外来

胸部症状や呼吸器症状を主訴に搬送されることが多いと思います。自覚症状だけでは急性冠症候群の可能性や大動脈解離の可能性も考慮しなければなりません。
心電図、バイタルサイン測定、ルート確保と採血は言うまでもなく当たり前のことですが胸部症状を訴えているのでBNPなど心機能の評価を追加する可能性があります。医師の指示で採血を実施しますが、何度も実施しないで良いように幅広く疾患を考え、医師へ確認した方が良いです。

胸部症状が強い場合は冠動脈を拡張する点滴や除痛を行うと思います。血圧低下に注意が必要です。

たいていの場合、エコーと心電図で診断は決定できると思います。

救急部ICU

タコつぼ型心筋症の診断で入院することはまずないでしょう。ICUで起こると擦れば他疾患で入院していた患者が突然、胸部症状を訴えたり意識レベルが低下している患者であれば心電図変化や採データの推移でおかしいということに気づくと思います。

タコつぼ型心筋症はストレスが引き金になると言われていますので緊急入院かつICUという特殊な環境下では発症しやすい合併症と言えます。

そして要注意なのがICUに入院しているということは緊急かつ重症度が高いわけです。タコつぼ型心筋症ではなく心不全や急性冠症候群を併発することもあり得ますので鑑別は非常に大切です。

救急病棟

タコつぼ型心筋症疑いの患者が入室します。疑いの場合は、もしかしたら急性冠症候群の可能性もありますので、胸部症状の悪化や定期的な心電図検査とエコーによる評価が必要です。

高齢者の場合、加齢により冠動脈が狭窄している可能性はあり得ますのでたこつぼ型心筋症を疑うと冠動脈拡張の点滴治療などを終え症状が緩和したところで冠動脈の評価を行うこともあります。そして、自覚症状が乏しく気が付かなかっただけで冠動脈が狭窄していたなんてこおも少なくありません。

タコつぼ型心筋症とはグレーな疾患というか予後は良けど、診断を誤ると恐ろしいという表裏一体です。

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