うつ病は脳の疲労が原因。「休む」勇気を持ちましょう!

一般知識

現代病の1つであるうつ病。

女性は5人に1人、男性は10人に一人の割合で発症しており、誰がなってもおかしくない病気です。

明日は我が身。自分が家族が友人がなるかも知れない「うつ病」について
言葉だけでなく、中身を知って下さい!

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うつ病とは

脳のエネルギーが欠乏した状態を指します。

うつ病と言うと、心療内科・精神科を受診するので、心の病とよく言いますが、実は脳の働きに関係しています。

憂うつは一時の出来事で、長続きせずに気分が戻ります。
うつ病は2週間以上、何らかの症状が持続します。

うつ病と脳の関係

脳が司令塔となり、様々な意欲や行動をコントロールしています。

うつ病になることで脳が疲弊し、エネルギー不足になると意欲や行動をコントロールするシステムが正常に機能しなくなり、精神・肉体ともに不調をきたすのです。

人間は「ホメオスタシス」という恒常性を表現しますが、正しい状態へ戻そうという力を兼ね備えているので自然に治ることもあります。

風邪で例えると、健康な人なら薬を飲まなくても体力があれば自分の免疫力だけで風邪のウイルスを撃退でき、数日で回復します。
これが本来の身体の機能です。

ですが、高齢者やがんの治療中など免疫が落ちている人は薬を飲まないとなかなか治りません。
うつ病はこの状態に近いです。

本来の在り方の戻そうという機能が働くように人間の身体はできているのですが、うつ病になると司令塔の脳そのものがダメージを負っているので、元に戻そうという力が働かないのです。

うつ病の症状

【自分で気づく症状】

憂うつ、気分が重い、気分が沈む、悲しい、不安が強い
イライラする、集中力が下がる、好きなこともやりたくない
罪悪感が強くなる、自分を責める、死にたい、眠れない

どうせ自分なんて〇〇なんだ。この自分を下げる言い方要注意です。

【他人が見て分かる症状】

表情が硬い、声が小さい、反応が遅い、涙もろい
食事量・飲酒量の変化
服装や化粧の変化、清潔感がなくなる

うつ病って言うと気分が下がるイメージなので、食事量が減り、服装や化粧は地味になると思われがちですが、そうとは限りません。

お腹いっぱいにならないと過食になることやモノトーンを好んでいた人が急に蛍光色のような派手な色に挑戦したり、化粧も普段よりもチーク・口紅の色が濃いという変化もあり得ます。

気分転換であえてやっている場合は自分が意識しているので問題ないです。
怖いのは、自分では気づかない場合です。

「今日、化粧張り切ってるけどデート?」とか聞くと
「普段通りだけど、変?」

みたいな。自覚がないのは危険信号です。

【身体に現れる症状】

食欲の変動、寝つきが悪い、早朝に目が覚める、朝起きれない
頭痛、めまい、便秘、傷が増えるなど

1番明確な身体症状は「不眠」です。

うつ病患者の9割は不眠症だと言われています。

重症度分類

【軽症】
仕事や日常生活、他人とのコミュニケーションが円滑にいかないこともありますが、周囲の人が気を付ければ対応可能で困らず仕事もできるでしょう。

【重症】
会話が成立しない、一人で日常生活が送れない、安全が約束できない

【中等度】
定義が難しいですが、軽症と重症の間の程度。例えば日常生活は送ることはできるけど他人とコミュニケーションがうまく取れず、仕事に支障をきたすなど。

うつ病の原因

男性は仕事が原因になりやすく、女性はライフイベントの変化に影響を受けやすいと言われています。

が、男女ともに人生で1番ストレスがかかる時は

「配偶者の死別」です。

近親者がなくなったとき、病気になった時など人生に変化がある時に人間はストレスを抱えやすいので、うつ病の可能性が高まります。

悲しい出来事だけでなく、結婚や出産など嬉しいイベントでも環境が大きく変わってしまうためストレスを感じやすいということを覚えておいてください。

治療法

・休養と環境調整

脳が疲弊している状態なので、休養が1番大切です。
うつ病の原因が職場、家族関係など明らかな問題点がある場合は環境を変えることで重要な手段です。

・薬物療法

不安を落ち着かせることや不眠に対する薬が主です。
うつ病の程度に応じて薬の強さも変化します。

薬を飲むなんて、重症?と感じるかも知れませんが、抗不安剤はうつ病に限らず内服している人が多い薬ですので、深刻に考える必要はありません。

・精神療法(森田療法・認知行動療法など)

休養と薬物療法のみで完治しづらく、思考・行動パターンを見直すことも重要な治療です。精神療法はカウンセリングのようなイメージで、治療と同時に再発予防の目的もあります。
本人が主体的になり、「生きる力」を見出せるよう医療者は支援します。

早期治療の3つの勇気

①自分の不調に気づく勇気

調子が悪いと感じても「気のせい」「疲れてるだけ」「自分が弱いだけ」となんとか奮い立たせて、強い自分を保とうとしてしまうものです。

数日間で体調が改善する場合は、強気の自分で良いですが、不調が続く場合は恥ずかしいとか、自分に負けたとか思わず「なんか、おかしい」と素直に認めましょう。

②病院を受診する勇気

心療内科・精神科へ行くのが恥ずかしいですか?
周囲の目が気になりますか?

今では個人クリニックも本当に増えましたし、中には内科クリニックの中に心療内科などを持っているところもあるので入りやすいと思います。

病気になって恥ずかしいとかありません。

むしろ、病院へ行っているということは良くなりたい、改善したいと思っているからこその行動で病気と向かいあっており、かっこいいことです!

胸を張って、受診して下さい。

③休む勇気

1日病気で休むだけでも、迷惑をかけて申し訳ないと思う人が多いです。

逆に、同僚が休んだ時に、迷惑だなと感じますか?
たいていの人は、大丈夫かな?ゆっくり休んで。と思うことが多いのではないでしょうか?

休む側が勝手に申し訳なくなっているだけということがよくあります。

休む時は余計な心配はせず、全力で休んで下さい。
本当に迷惑なのは、仕事復帰できないくらい重度のうつ病になることです。

精神科と心療内科の違い

余談ですが、この違い知っていますか?

【心療内科】

胃潰瘍、喘息、糖尿病、蕁麻疹、拒食症など、ストレスが原因で発病する疾患(いわゆる心身症)を心の面から治療する科
身体的な症状がある場合に受診します

【精神科】

不安や抑うつ、不眠、幻覚幻聴など心の症状がある場合に受診します。
身体の症状は診ることができません。

うつ病は本来であれば、精神科を受診することが妥当ですが、最近では軽症であれば心療内科でも診察可能なところが増えています。

まとめ

・うつ病は女性がかかりやすい
・うつ病患者の9割は不眠症
・男性は仕事、女性はライフイベントが原因となりやすい
・人生で1番大きなストレスは配偶者の死別である
・治療で1番大切なことは休養
・早期治療のための3つの勇気を持ってほしい
・正確にはうつ病になったら精神科を受診する

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