子宮頸がんワクチンの副作用が怖いなら検診で早期発見を目指せばいい!

一般知識

2013年から定期接種が始まりました「子宮頸がんワクチン」ですが、
繰り返し報道される「重度の副作用」により、危険な予防接種ではないか?というマイナスイメージが先行しています。

その結果、

接種率は70%→1%へ
厚労省は積極的に2015年から推奨することを中止し、希望接種へ

変更になりました。

つまり、子宮頸がんワクチンは任意接種です。

本当に予防接種はリスクの方が大きいのか、正直分かりません。

でも1つだけ言えることがあります。

年1回の検診で早期発見できれば、子宮頸がんでは死にません

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子宮頸がんと子宮体がん

子宮にできる癌を子宮癌と呼んでおり、癌ができる部位によって子宮頸がんと子宮体がんと使い分けています。

 

子宮頸がん 子宮体がん
部位 子宮の入り口の管状の部分に発生する癌 子宮の上部にある袋状の部分に発生する癌
発症年齢 20~30歳代(30代後半がピーク)
*発症年齢が下がってきている
50~60歳代
*全ての年齢層で患者数が増えている
発症率と死亡率 発症は10万に40~70人
1年間に約16,000人がかかり、約3,000人が亡くなる
発症は10万に20~30人
1年間に約8,000人がかかり、約1,600人が亡くなる
原因 ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染 明らかな原因不明
閉経により罹患率が高まる

つまり、子宮頸がんは性交渉子宮体がんは閉経に大きく関連しています。

子宮頸がんは「性交渉」と関連が強い点がポイントです。

子宮頸がんの原因

ヒトパピローマウイルス16・18型が子宮頸がんの70%を占め、さらに癌化するまでの期間が短いのが特徴です。

どこにでも存在するウイルスであり、主に性行為により感染します。
性交渉の経験のある約80%の女性が無意識の内に感染しますが、免疫機能によって自然と排出され影響を及ぼさないことがほとんどです。

しかし、約4%の確率で排出されず子宮頸がんになる可能性があります。

感染してから癌になるまで

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染から、子宮頸がんになるまでには細胞が分裂を繰り返し、数年~10年以上かかると言われています。

癌になるまでに、異形成という癌の一歩手前の状態が長期間に渡って見られるので、この段階で診断を受ければ、治療可能かつ予後良好です。

なんとなく、検診が有効ということは伝わってきましたか?

ちなみに異形成になっても自然に消失し完治する可能性もあれば、進行する恐れもあるので、検診の頻度も大切なのです。

子宮頸がんワクチンについて

子宮頸がん原因であるヒトパピローマウイルスの16.18型に有効であるワクチンです。

種類

2009年サーバリックス(GSK社)

ヒトパピローマウイルス16・18型の2種混合

2011年ガーダジル(MDS社)

ヒトパピローマウイルス16・18型と尖圭コンジローマを引き起こすヒトパピローマウイルス6・11型の予防ができる4種混合。

接種時期と期間

定期接種は中学1年生となっていました。

推奨年齢は小学6年生~高校1年生とされており、大切なことは性交渉をする前に接種をすることです。

 

上で述べた2つの予防接種はともに6か月の期間で3回の筋肉注射を実施します。
両者でスケジュールが少し違うので要確認です。

副作用

HPVワクチンの副作用が問題視されていますが、他のワクチンと比較し副作用を引き起こす割合は高いのでしょうか?

同じ不活化ワクチンであるインフルエンザの予防接種の副作用と比較してみます。

副作用の発症率は厚労省のデータを参照にしています。

見てもらうと分かる通り、両者のワクチンで副作用の現れる確率に大差はないです。

ただし、HPVワクチンの重度かつ極めてまれな副作用を頻度が発表されています。報告頻度は2013年までの発症した症例でワクチンとの関係が否定できないものを参考にした頻度だそうです。

病気の名前 主な症状 報告頻度
アナフィラキシー 呼吸困難、じんましんなどを症状とする重いアレルギー 約96万接種に1回
ギラン・バレー症候群 両手・足の力の入りにくさなどを症状とする末梢神経の病気 約430万接種に1回
急性散在性脳脊髄炎 (ADEM) 頭痛、嘔吐、意識の低下などを症状とする脳などの神経の病気 約430万接種に1回
複合性局所疼痛症候群 (CRPS) 外傷をきっかけとして慢性の痛みを生ずる原因不明の病気 約860万接種に1回

(出典元:厚労省のHPより)

頻度は極めてまれということが分かっていただけると思います。

HPVワクチンの副作用が問題視されていますが、忘れてはいけないことはどんなワクチンにも重度な副作用は起こり得るということです。

副作用の事例

中学生でHPVワクチンを接種し、全身の痛みと倦怠感が現れ、車いす生活を余儀なくされた症例があります。

・接種後の健康被害などを国に訴えている人は現在123人
・接種後の副作用とも捉えられる症状を厚労省は「心身反応」と見解を公表

訴えている健康被害と厚労省の見解が一致していなことも、HPVワクチンの信頼が低い原因の1つだと思います。

国内・世界の見解

■世界保健機関(WHO)の諮問委員会(2015年)
日本が子宮頸がんワクチンを推奨接種から任意接種へ変更したことに、「乏しいエビデンスに基づく政策決定」と非難した。
重度の副作用や自己免疫疾患はワクチン接種者と一般集団では有意な差がないと発表し、ワクチンの副作用よりも子宮頸がんによる死亡の方が脅威であり、ワクチン接種が癌予防に有効であるという見解を示した。

 

■予防接種推進委員会(2016年4月)

日本の予防接種に関する協議会では、早急なHPVワクチンの積極的な推奨を示し、以下の理由を述べた。
・ワクチン接種を導入している欧米では、導入後3~4年間で子宮頸がんの前が
 ん病変の発生率が半減したこと
・日本で報告された有害事象の未回復者は10万人あたりで2人の割合であること
・予防接種後に生じた副作用を診療や相談する体性・専門機関が全国に整備さ
 れたこと

 

■名古屋市「子宮頸がん予防接種調査」結果(20166月)

名古屋市内在住の中学3年生から大学3年生相当の年齢の女性を対象とした、HPVワクチンの未接種者も含めた全国初の大規模な調査。

名古屋市がウェブサイトに公開した調査結果の
「身体症状とHPVワクチンの接種の有無のクロス集計」では、
ワクチン接種者と一般集団の有害事象の発生に有意差は認められなかった。

■日本産婦人科学会

2018年6月に5回目となるワクチンの推奨を求める声明を発表した。

ワクチンの安全性はすでに確認されているのに、推奨がなされず接種しない状況が長く続けば、先進国の中で日本だけ子宮頸がんになる人が増える。その結果、多くの女性が子宮を失う、命を落とすなど不利益になることは間違いない」と述べている。

■厚労省(2018年)

ワクチンに関するリーフレット(改訂版)を公表した。そこでは、接種により10万人当たり595~859人が子宮頸がんになることを回避できると記載されている。
2017年8月末までに報告された「副反応の疑い」は10万人当たり92人だったとも記した。

予防接種をすべきか?!

各団体がワクチンを推奨していることが分かりましたが、予防接種を受けたいですか?

ここからは、あくまで個人の見解です。

本当に重度の副作用を生じる可能性は極めて低いのか?!が争点です。
健康被害を主張する報道が与える影響は大きく、マイナスイメージを持っている人が多いのは事実です。

複数の機関が推奨したとしても「安全性」に疑問を抱くでしょう。

それなら、ワクチン接種はせず、検診を毎年受けるのはどうでしょうか?

子宮がん検診

20歳以上の女性には市町村より2年ごとに子宮頸がん検診のクーポンが送られてきているはずです。毎年くれたら良いのに、余裕がないのでしょう。

なぜ20歳かというと、日本人の初セックスの平均年齢が19歳前後だからです。

HPVは性交渉により感染するのでこの年齢がとても大切で、20歳以降の女性が毎年子宮頸がん検診を受診すれば、たいていの場合、「異形成」という子宮頸がんの前段階で発見できるのです。

本来は子宮頸がん検診は毎年必要です。

ですが、実際は20歳代の子宮頸がん検診率は22%

検診に行かない理由

①癌は高齢者がなりやすいという固定概念があり、子宮頸がんには20歳代~か
かる可能性があると知らない

②20歳を超えると一人暮らしをする人が増え、強制力が弱い

③恥ずかしい、めんどくさい

予防接種もせず、検診にも行かないのであれば子宮頸がんになり、子宮を失う手術や最悪の場合死に至っても…やむを得ません。

子宮頸がんほど、原因が明確で早期発見できる癌はまれです!

なので、予防接種に悩む人は検診は必ず毎年行って下さい!

まとめ

・子宮頸がんは性交渉で感染する
・20歳~30歳代が多い
・癌になるまでには数年~10年以上かかる
・子宮頸がんの予防接種は中1が対象で任意接種
・副作用はインフルエンザの予防摂取と一緒くらい(データ上は)
・公的機関は予防接種を推奨、市民は副作用を心配
・子宮頸がん検診を受ければ癌の前段階で発見できる
・20歳になったら毎年検診は行くべき

子宮頸がんの予防摂取の副作用が怖い人は、年1回の検診を受けて下さいね!

 

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コメント

  1. […] 有名人のニュースにより、世間で改めて注目されている乳がんです。 どんな癌でも病気でも早期発見・治療が有効ですが、子宮頸がんと合わせて若年性で癌を発症するところにより怖さがあります。 […]

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