12本の脳神経の語呂合わせ 身体の神経の仕組み

 

脳疾患を理解する上で欠かせないのは脳神経の役割を知っておくことです。

脳神経は全部で12本あります。

看護学生時代、私も全く覚えられず国家試験の時だけ必死に記憶した思い出がありますが…
順番は語呂合わせでなんとか覚えて、それぞれの役割は暗記しなくてもメモはしておきましょう。

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12本ある脳神経の名称と働き

脳神経は12本あります。

脳神経Ⅰ~Ⅻまで働きと障害されたときの症状、原因疾患を表にまとめました。

嗅神経 嗅覚 障害されると匂いが分からない。

外傷、髄膜炎などの炎症性疾患、脳腫瘍

視神経 視覚 両側神経が障害されると全盲。

下垂体線種・脳血管障害

動眼神経 (上直筋・内側直筋・下直筋・下斜筋)の4つの筋肉を動かし眼球運動を行う。対光反射 対光反射の消失、複視

脳動脈瘤、脳梗塞、脳血管障害、糖尿病

滑車神経 (上斜筋)を使い眼球運動を行う 眼球を下側・内側に動かすことができず上下回旋斜視、複視になる

脳動脈瘤、脳梗塞、脳血管障害、糖尿病

三叉神経 顔面(鼻・口・歯の知覚を含む)の感覚や表情を作る、咀嚼 顔面の知覚障害、表情が作れない

血管による神経圧迫、少ないが神経芽腫や髄膜種、脳血管障害が原因のこともある

外転神経 (外直筋)眼球運動 眼球が内転位する

脳動脈瘤、脳梗塞、脳血管障害、糖尿病

顔面神経 舌の前2/3の味覚、涙、鼻水、唾液の分泌 片方閉眼できない、口角下垂、笑うと口がひきつる、聴覚過敏、味覚障害、顔面の分泌物の増加・減少

聴神経腫瘍、脳血管障害、帯状疱疹

原因が特定できないが末梢性の神経麻痺をベル麻痺と呼ぶ

内耳神経 聴覚、平衡感覚 難聴、体幹保持が困難になる

聴神経腫瘍

舌咽神経 舌後1/3の知覚(舌触りなど)、嚥下、唾液の分泌 嚥下障害

神経芽腫、髄膜種

迷走神経 内臓の感覚、消化管の超全運動、血圧調整、発声 中枢に近い場所で障害されると、嚥下困難、嘔吐反射障害を生じ球麻痺と呼ぶ
副神経 (胸鎖乳突筋・僧帽筋)を使い首を動かす 頭部の健全の回旋異常、僧帽筋の障害によって患側の肩は下がり、首をすくめても挙上できない。両側の副神経麻痺になると寝た状態から頭を持ち上げられないなど

髄膜炎、脳腫瘍、多発性硬化症

舌下神経 舌を動かす 会話、咀嚼、嚥下困難

脳腫瘍、脳出血、脳梗塞、脳幹の感染症、動脈内膜摘除術、筋萎縮性側索硬化症

神経ごとに脳のどの部位から発生しているかが異なります。

Ⅲ~Ⅻは脳幹から、
第III動眼神経・Ⅵ外転神経は中脳、
第V三叉神経〜第Ⅷ内耳神経は橋、
第IX舌咽神経〜第XII舌下神経は延髄から発生しています。

第Ⅰ嗅神経は最も頭側に近い箇所から、第Ⅱ視神経は前頭部より出ています。
第VII顔面神経以降を下位脳神経と呼びます。

 

脳神経の暗記は語呂合わせ

【嗅いで見る動く車の三の外、顔・耳・のどに迷う副舌】

嗅い(嗅神経)で見る(視神経)動く(動眼神経)車の(滑車神経)三(三叉神経)の外(外転神経)、顔(顔面神経)耳(内耳神経)のど(舌咽神経)に迷う(迷走神経)副(副神経)舌(舌下神経)

これが定番ですね!
学生時代に私はこれで暗記しました。
単なる語呂合わせで意味はありません。

色々調べているとこんなのみ見つけました。

【NO! 急に 自動車 三転で 顔が ない 全員 迷う 服の下】

No!(脳神経)急に(嗅神経) 自(視神経)動(動眼神経)車(滑車神経)三(三叉神経)転(外転神経)で、顔が(顔面神経)ない(内耳神経)全(舌咽神経)員迷う(迷走神経) 服(副神経)の下(舌下神経)

頑張れ看護学生というブログより引用させて頂きました!

なんとかして覚えられますが、順番で覚えてるから何番の神経かはいちいち指で数えないと出てこないという欠点があるんですよね…
頑張って覚えて下さい!

身体の神経の仕組みを理解しよう

脳と脊髄にある神経系を中枢神経系
中枢と末梢を連絡する神経系を末梢神経系と言い

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は キャプチャ-2-644x400.png です

大きく分けるとこの2種類あります。
言うまでもなく、脳神経は中枢神経系です。

私もそうでしたが、脳神経を覚えるだけでも大変だし、疾患や病態と結び付けて考えるのも難しいと思っていました。
そして、脳神経と中枢神経って?とか自律神経はどこに関与してるんだろう?と疑問はどんどん増えます。
脳神経を覚えただけでは、部分的に理解しているだけで全体像は把握できていないのです。

看護をする上でそれほど必要ない知識かも知れませんが、これを機に神経の仕組みを理解したいと思う人は以下の説明を参考にしてください。

神経の役割と関係性

①身体の様々な部位から情報を伝達する→末梢神経
②送られてきた情報を解析、整理、判断し、その情報に応じて適切な判断を下す言わば司令塔の役割をする→中枢神経
③司令塔で決定して情報を抹消に伝える→末梢神経

 

脳神経が障害を受けると②でダメージを負います。
情報の処理や判断ができずに司令塔の役割を果たせなくなるため③の末梢への情報伝達ができなくなります。その結果、身体的な障害を認めるのです。

*脳神経は中枢神経ではありますが、末梢の体性神経と連絡を取る上で、感覚性なのか運動性なのかの2種類あります。
体性神経は感覚神経と運動神経の2種類でできており、国師の試験などではⅠ~Ⅻ神経の内のどれが感覚神経に繋がるかなど暗記したかも知れませんが、臨床現場では必要ないので割愛します。

末梢神経は自律神経と体性神経でできている

中枢神経からの命令を全身に伝える末梢神経は、自律神経体性神経に分かれます。

自律神経と体性神経の違いは「自分の意志で動かせるかどうか」という点です。

自律神経は消化管運動や心臓の拍出運動など生命維持には欠かせない機能で自分がやろうと思わなくても無意識の内に作用しています。
体性神経は例えば階段を登るために足を上げようとか、鞄を持つために手を曲げようとか自分の意思でコントロールできます

自律神経は交感神経・副交感神経でできている

よく耳にする自律神経は交感神経・副交感神経に分類されます。
この違いは明確です。

喧嘩して怒っている時が交感神経が優位でお風呂でリラックスしているときは副交感神経が優位です。

目が血走り、瞳孔を見開き、興奮して心拍数・呼吸回数ともに上昇、食事をとることも忘れ消化機能は活発でなく、戦闘モードON。このような身体の機能は交感神経が伝達しています。

副交感神経は真逆で、眠くなってきて心拍数も落ち着いている、食事をとって満足して消化管の動きが活発になるなど、落ち着いて過ごせるように身体が機能します。

この違いは覚えやすいです。

 

 

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