ストレスコーピングとは、社会、人間関係、家族問題など、あらゆる場面でストレスを感じたとき、自分なりに対処しストレスに打ち勝つ方法のことです。
ストレスコーピングが上手くいかず、蓄積していくとうつ病などの精神疾患を発症してしまう可能性があり、誰もが身に着けたいストレス対策法です。
ストレスってそもそも何?
もともと、ストレスとは物理の分野で物体の外側からかけられた圧力によってゆがみを生じた状態を指す言葉です。
現代ではストレスと言えば、心の疲労とか精神的苦痛の積み重ねなどをイメージしますよね。
正確には、ストレスの原因(例えば、上司と部下の関係や経済問題など)つまり、心や身体にかかる外部からの刺激のことをストレッサーと言い、それに伴う身体・精神的な反応をストレス反応と言います。
ストレス反応までのプロセス
このように、ストレスの原因があり、それを認知し、身体的・精神的反応が現れる3段階になっており、一般的に、ストレスを認知したりストレス反応が出ることで「私はストレスが溜まっている」などと表現しているようです。
ストレスの原因であるストレッサーは4分類できる
これは人によって様々で、物理的・心理的・社会的・身体的要因の4つに分類することができます。
ストレッサーを認知するとは
自分で、「負担がかかっていること、不快に感じていること」に5感を使って気づくことです。
物事をどう捉え、それをどの程度脅威に感じるかによって認知の段階で、ストレッサーの感じ方が変わってきます。
具体的なストレス反応
ストレス反応まで到達すると、防衛機能が働かなくなり、心身に症状を引き起こすことです。
ストレス反応は、身体的・心理的・行動反応の3つに分類することができます。
これらの反応で「調子がおかしい」と自分もしくは他人が気付いてあげてほしいのですが、このような状況になってもなお頑張り続けると、
拒食・過食症、うつ病、自律神経失調症、関節リウマチ、胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、円形脱毛症など病気に発展する可能性があります。
ストレスコーピングを身に着ける方法
ストレスなしは絶対に不可能です。
生きているだけで、ストレッサーは存在します。
上で挙げたような病気にならないために最も重要なことはストレスに上手く対処する方法、すなわち「ストレスコーピング」を身に着けることです。
ストレスコーピングはストレッサーに触れた時、それを認知した時に、コーピングで対応できれば心理的・身体的負担を減らすことができ、病気に発展しにくいです。
ストレスコーピングには3種類あります。3つに分けることができます。
①問題焦点型
②情動焦点型
③ストレス解消型
問題焦点型コーピング
ストレッサーに直接働きかける方法になり、「社会的支援探索型」と「積極型」の2種類のアプローチ方法があります。
【社会的支援探索型】
ストレスの原因に直面した時に、周囲の人に相談し助言をもらって解決方法を考える方法です。
例:「職場での上司との関係」に悩んでいるとします。
同僚や先輩にどのようなことで悩んでいるのかを相談し、どうすれば上司との関係が改善されるか助言をもらいます。同じ職場というのがポイントで、状況を理解してくれている人から助言をもらうことで悩みの解決に繋がりやすいです。
*この方法は意識せず自然とやっている人が多いと思います!
【積極型】
ストレスの原因(ストレッサー)となっていることを、根本的に解決し、ストレスそのものをなくしてしまうという対処法です。
例:「職場での上司との関係」がストレッサーの場合
上司と向かい合うことで解決の糸口を探します。まずは、自分、上司で面談をしたり、必要であれば第三者も交えて話し合いをします。
それで、上司との関係が改善されれば問題ないですが、もし解決しなければ、部署の異動を検討することもできます。
ストレスの原因になっていることと向かい合い、加害者へ働きかけ、解決していく方法です。
対処できれば根本的な解決になり、効果的な方法ですが、実行が難しい場面も多いのが現実です。
情動焦点型コーピング
これはストレッサーのよる感情や考えに焦点を当てたアプローチ方法で「情動焦点型」と「認知的再評価型」の2種類あります。
【情動焦点型】
ストレスの原因(ストレッサー)ではなく、ストレッサーが与えられたことによって生じた感情をコントロールする方法です。
個人に生じた感情そのものにに焦点を当て、その感情を生み出した原因への注意を緩和することが目的です。
例:ストレッサーにより傷つき、悲しみ、落ち込んだとき
友人や家族にこの気持ちを話し感情を表出し、この気持ちを相手が受け止めてくれて、理解してくれて、共感してくれることで感情の整理や発散する方法です。
上の例で挙げた、「上司との人間関係」で考えると
全く関係のない人にただ話すという方法を取れば、情動焦点型のストレスコーピングになります。
仕事関係者以外に話しても問題そのものは解決しません、話すことで感情を整理したり共感を求めているのです。
【認知的再評価型】
ストレッサーに対する感じ方、考え方を修正する方法です。
ストレッサーから感じる悪い面だけを見るのではなく、良い点を探す、自分にとって役立てる方法を見つけるなど、物の見方を変えることでストレスの原因を前向きに感じることです。
よく、人に対しても悪い面ばかりでなく、良い面を探しましょうなんて言いますが、それと全く一緒です。
言うのは簡単ですが、実際にはストレッサーによって何らかのマイナスな感情を抱いていることが多いので、良い面を見つけるというのは至難の業です。
例:「上司との関係性」
上司が自分に厳しいのは期待をしてくれている証拠だ。
上司は感情的になりやすいが、ルールに遵守し仕事をしており尊敬できる。
など。前向きな捉え方をします。
そうすること、今まで気づかなかった新たな価値観や自分自身の歪んだ認知に気づくこともあります。
ストレス解消型コーピング
ストレッサーとは関係のないことで気分を変えようとするアプローチ方法で「気晴らし型」と「リラクゼーションリラクゼーション型」の2種類あります。
多くの人がこの方法でストレス解消をしているのではないでしょうか?
【気晴らし型】
名前の通り気分転換活動のことです。
趣味に没頭する、買い物へ出かける、おいしいものを食べるなど、自分が好きなことに時間を使い、ストレッサーを考えないで良い環境、離れる時間を作り気持ちをリフレッシュさせます。
これは日常的に誰もがやっている対処法の1つですね。
【リラクゼーション型】
この言葉を聞いて思い浮かべるのは岩盤浴とかヨガかも知れませんが、そんな大掛かりなことではなく、その場でできる気分をリセットする方法のことを指します。
感情が高ぶったときに、ストレッチをする、深呼吸をするなど、緊張を緩める動作をすることで案外、簡単にリラックスできるのです。
リラクセーションを日常的に取り入れている人は、ストレス耐性が高まる効果もあります。
ストレスコーピングのまとめ
問題焦点型コーピング:ストレッサーを取り除く
情動焦点型コーピング:ストレッサーに対する捉え方を変える
解消型コーピング:ストレス発散
1通りではなく、複数のストレスコーピングを実践している人の方が、ストレスに対処する能力が高く、病気になりにくいと言われています。
まずは、普段自分がどのストレスコーピングをしているのか振り返りましょう。
そして、自分がやっていないコーピング方法を取り入れていくことで、ストレスをコントロールし健康に過ごすことができますよ!