日本での糖尿病患者数は300万人超え、男女ともに増加傾向にあります。
ちなにに、糖尿病が強く疑われる人数は10000万人以上と言われており、全国民の11人に1人という割合です。
実際は40代以降になると患者数が増えることを考えると
中年以降は5~6人に1人が糖尿病になるかも知れません。
別に、糖尿病になっても死ぬわけないし!と思っていませんか?
いやいやいや!合併症を引き起こし、死期が近くなります。
しかし、糖尿病は予防可能な病気です。
健康に楽しく美味しく生きるために、糖尿病のことを知って下さい。
糖尿病の基本知識
種類
Ⅰ型:原因が分かっていませんが、小児期~成人期に発覚することが多く
生涯、インスリン治療が必要になります。
Ⅱ型:世間でよく言う糖尿病はこちらです。
暴飲暴食、運動不足など生活習慣が原因となり、発症します。
今回はⅡ型糖尿病を取り上げます。
糖尿病の原因「インスリン」の2つの役割
①血糖を下げる
体を動かす燃料となるのは糖分であるブドウ糖です。
ブドウ糖が血液中に溶け、全身へ運ばれることで人間は活動しています。
血液内のブドウ糖のことを「血糖」と呼び、糖尿病になると血糖値が高くなります。
健康な人は膵臓から分泌される「インスリン」が唯一、血糖値を下げてくれるホルモンです。
正常範囲の血糖値であれば、インスリンの働きによって調整され、正しくブドウ糖が全身の活動に使われます。
しかし、高血糖になるとインスリンの量が不足し、血糖を下げるのが難しくなっていきます。
つまり、インスリンの分泌量が常に不足している状況になり、高血糖が持続し糖尿病になるのです。
これをインスリン分泌不足と言います。
②細胞にブドウ糖を取り込む
インスリンは十分な量が分泌されているのに、高血糖が続くと仕事効率が悪くなります。
ブドウ糖が細胞の前にたどり着くと、インスリンの助けを借りて細胞の中に入り込み、活動エネルギーになります。
インスリンの効果が薄れ、細胞の中にブドウ糖が入ることができず血液中に残ってしまうと、糖尿病になってしまうのです。
これをインスリン抵抗性と言います。
原因
遺伝は変えることはできませんが、環境因子は自分次第でコントロールできるはずです!
糖尿病の予防はこの環境因子がとっても大切です。
症状
・頻尿
・口喝
・体重減少
・強い空腹感
高血糖が続くと、尿の中からも糖が出ます。
すると、腎臓がなんとか糖を薄めようとして、水分をたくさん作り出し、尿量が増えます。
尿量が触れると、身体は脱水になるので自然と喉が渇き、普段よりも多くの水を飲むようになります。
糖尿病が太っている人がなるイメージがあると思います。
なのに、体重減少?って意外じゃないですか。
実は、尿を大量に作るため、臓器が通常以上の運動を強いられるため、カロリーを多く使います。
そのため、体重が減り、空腹感が強くなります。
はっきり言って、体重減少を認めるレベルの糖尿病は重症です。
合併症のリスクも非常に高く危険です。
治療
治療は大きく3つです。
【生活指導】
環境因子でも挙げたように、「食事」と「運動」がキーワードです。
軽症の場合は、生活を見直すだけで治療できる場合もあります。
この生活習慣の見直しは、軽症~重症全ての糖尿病患者さんに必要な治療です。
【内服治療】
血糖降下薬を飲み血糖を下げる方法です。
食前・食後の2種類があり、血糖値を安定させるまでに時間がかかります。
また、長期に渡り内服することで、効果が薄れることもあるでしょう。
【インスリン注射療法】
内服治療で血糖のコントロールができなくなれば、インスリンの自己注射が始まります。
太ももやお腹など脂肪が多いところに、自分で注射をします。
注射の練習も必要ですし、感染リスクや注射部位が硬くなるなどのダメージもあります。
インスリンの量を間違えたり、食事量が少ない時に通常量打つと多すぎるなど自己管理・調整が難しく、低血糖になる怖さがあります。
恐ろしい3大合併症
慢性期になると血管に障害がきたします。
中でも、眼・腎臓・神経に障害が出やすく3大合併症と言われています。
網膜症
高血糖が続くことで目の網膜という場所にある毛細血管が傷ついたり、栄養が届かなくなり、信仰すると失明します。
糖尿病の人で目のかすみや視力低下などあれ?おかしいなと思うことがあればすぐに眼科を受診してください。
少しずつ進行するため、症状の変化に気づかない場合もあります。
よって、少なくとも年に1回は眼底検査を受けましょう。
腎障害
高血糖により腎臓の毛細血管が機能しなくなり、最終的に腎臓そのものの機能が著しく低下し、尿を産生できなくなります。
腎臓の機能は1度失ってしまうと、回復しません。そのため生きるためには透析を受ける必要があります。
実は、日本では透析患者数が年々増加しており、その原因疾患の1位が糖尿病です。
透析とは週3回、身体の水分とミネラルを取り除くという作業で約4時間かかります。
拘束時間が長いだけではありません。水分・塩分制限、遠出の外出がしづらい、運動も限られるなど、生活は180度変わるでしょう。
また、怖いのは災害時です。透析施設が使用できなくなると残念ながら透析患者を救う方法はないです。
死と隣り合わせの病気であると本当に感じます。
神経障害
手足の神経が鈍くなり、進行すると感覚がなくなります。
障害が進むと、切断を余儀なくされることもあります。
1番多いのが、深爪や足先を少し切ってしまい、「大したことない」と適切な処置や対処をせず放置しておくことです。
神経が鈍くなってくると、だんだん痛みも分からなくなるので、悪化していても大したことないだろうと考えてしまい、手遅れに至ります。
救急部で勤務していた時に、異臭がするほど足が腐っているのに病院を受診しなかった人や、指がぼろっと取れてしまった人など…
糖尿病の神経障害は大変多く、切断した事例を何度も見ました。
3大合併症の予防
1番大切なことは血糖コントロールです。
高血糖が持続すると、眼・腎臓・神経に障害が出ます。
従って、血糖値を適切に維持できれば、3大合併症は予防できます。
また、神経障害に関しては切断に至ることがないよう、「どんだけ小さな傷でも放置しない!」これに限ります。
糖尿病になると傷の治りが遅くなります。このことを認識し、些細な傷もバカにしないでください。
まとめ
・みんなが良く聞く糖尿病は2型。患者数が増えている。
・インスリンがキーワード
・環境因子(生活習慣の乱れなど)が大きく、予防できる
・重症になると体重減少をもたらす
・治療は3段階。インスリン注射はリスクが大きい
・網膜症、腎障害、神経障害という3大合併症は大変危険
・予防は血糖コントロールに限る
ぜひ、若い時から生活習慣を見直し、糖尿病にならない人生を!
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