風疹のことを日本では「3日ばしか」なんて呼んでいますが
子どもの病気と思っていませんか?
患者は成人が多く、最も怖いのは妊娠中の女性がかかってしまうことです。
妊娠したいと思っている男女は絶対に抗体検査と予防接種を!
風疹とは
風疹はウイルス性の感染症です。
潜伏期間:14~21日
症状:小さく赤い発疹が全身に広がる
38℃前後の発熱
耳や後ろのリンパ節の腫れ
目が充血
咳
*発疹が出る1週間前から人に感染させます
ここで注意したいのは大人の方が子どもより症状が強くでることが多いということです。
大人の場合、高熱、関節痛、発疹が長引くなど重症化する恐れがあります。
感染経路:飛沫感染(咳やくしゃみで広がります)
妊娠中に感染すると
妊娠20週までの妊婦さんが感染した場合、赤ちゃんも風疹ウイルスを感染し、後遺症をもたらす恐れがあります。
特に妊娠12週までの妊婦さんが風疹になると、赤ちゃんに症状が残るリスクが高いと言われています。
大流行した2012~2013年の2年間は風疹患者数は16,000人を超え、45人の赤ちゃんに障害が出ました。
先天性風疹症候群
(出典元:厚生労働省HP)
・難聴
・心臓病(動脈菅開存症と言い、心臓や肺へ負担が大きくなる。全身状態が良
ければ手術可能)
・白内障・緑内障・網膜症といった目の病気
・低出生体重
・精神・運動発達の遅れ、発育の遅れ
・血小板減少性紫斑病(血が固まりにくい)
・肝脾腫(肝臓や脾臓が腫れて血液産生に問題を生じる血液疾患)
治療可能な場合もありますが、これらの症状が1つとは限りません。
そもそも低体重で生まれた場合、生後すぐに手術に耐えるだけの体力や機能が整っていないため、対症療法しかなく厳しい状況になることもあります。
赤ちゃんの確定診断
妊娠中に風疹に感染したとしても、お腹の中にいる赤ちゃんが先天性風疹症候群になっているかの判断はできません。
出生後にできる検査方法は3つあります。
①赤ちゃんの咽頭ぬぐい液、唾液、尿から風疹ウイルスを検出する方法
②赤ちゃんの咽頭ぬぐい液、唾液、尿から風疹の遺伝子を検出する方法
(最近は眼の水晶体から検出する方法もあります)
③出生食後の赤ちゃんの採血や臍帯血検査
これらは、感染症研究所や一部の医療機関で実施しています。
先天性風疹症候群の可能性がある場合には、出生後すぐ。
成長段階で先天性風疹症候群かも知れないと思ったときには、できるだけ速やかに検査することが重要です。
検査を受ける前に、まずはかかりつけの産婦人科へ相談してください。
きっと、管轄内の保健所を紹介してくれますので、そこから検査へ向かうと間違いないです。
万が一、先天性風疹症候群になっていた場合、保健師がその後のフォローをしてくれますので、必ず保健所を通じて検査へ行った方が安心でしょう。
予防接種が必要な人
子どものこと風疹にかかったことがある人は抗体を持っていますので、風疹にかかることはありません。
子どものころに予防接種を打ち、風疹にならなかった人が実は問題です。
1回接種で免疫ができる割合は約95%
2回接種で免疫ができる割合は約99%
1回しか予防接種をしていない人は年齢が上がると抗体が減ってくるので、予防接種をしても効果が切れる可能性があります。
1番安全なのは幼少期と妊娠の望む前の2回予防接種をすることです。
抗体検査はどこでできるの?
役所HPで風疹を調べると抗体検査ができる病院一覧が載っています。
自治体によりますが、最近は20~40代、つまり妊娠する年齢を対象に抗体検査とワクチン接種の助成などがあります。
抗体値は採血で簡単にできます。
検査法はHI法とEIA法という2種類。
HI法:陰性あるいは32倍未満
EIA法:IgGが陰性あるいは8.0未満
という人は風疹ワクチンの追加接種が必要です。
将来、妊娠を考えている人はお住まいの地域で風疹ワクチンのサービスがないか調べてみて下さい。
予防接種の注意点
妊娠中は予防接種ができません。
(妊娠中に予防接種をしたことにより胎児に何らかの害を及ぼしたという事例はないそうですが、推奨していません)
予防接種を受けた後、2か月は避妊をする必要があります。
従って、妊娠したいと思ってからでは少し遅いので少しでも考えている段階で予防接種を打って下さいね!
最近の動向
実は日本では実は患者の9割が大人の発症です。
国立感染症研究所は8月27日~9月2日までの期間に新たに75人が風疹に感染したことを発表しました。今年に入ってからの累計患者数は362人に上り、昨年1年間の総患者数の約4倍です。
7月下旬から東京・千葉で患者が急増しており、特にワクチン接種率の低い30~50代の男性に多いと発表しました。
しかも流行すると落ち着くまでに2年かかると言われています。
この夏、流行の兆しが見えるのでなんとかして食い止めたいです!
風疹に要注意なのは成人男性
平成28年度の感染症流行予測調査によって、30代後半~50代男性の5人に1人、20代~30代前半男性の10人に1人は風疹の免疫を持っていないことがわかっています。
なぜ、30~50代の男性が要注意かと言うと、ワクチンを打っていない世代だからです。
1995年~乳幼児の男女に風疹ワクチンの接種開始
2006年~麻疹風疹混合ワクチンの接種開始
実は1977年~1995年3月までは女子中学生が定期接種の対象
つまり、現在30~50代の男性は女子しかワクチン接種をしていない世代なので幼児のころ、風疹にかかっていなけば抗体がないのです。
実はアメリカでは、1969年に風疹ワクチン接種が男女ともに開始され、2004年には風疹に罹患する患者がいなくなり、2015年には撲滅したと宣言しました。
ちなみに日本も2020年までに風疹感染症を撲滅することを目標にしています。
知っていましたか?ちなみに、私も知りませんでした…
アメリカは撲滅していますが、もちろん世界では風疹予防接種をしていない国もあります。旅行者が増えているので風疹ウイルスが0になることはないです。
ただ、きちんとワクチン接種し抗体さえ持っていれば、風疹にはなりませんので、幼少期1回・妊娠前1回の予防接種を徹底しましょう!
まとめ
・風疹患者は成人が9割を占める
・関東を中心に感染者が増え、注意喚起が発表された
・妊娠初期(20週未満)で風疹になると、胎児が先天性風疹症候群になる可能 性がある
・幼少期に予防接種をしたからと言って安心できない
・幼少期+妊娠前に2回予防接種をすると間違いない
・30~50代男性はワクチン未接種世代であり、要注意
コメント