気胸の種類と治療|若い世代から高齢者まで

気胸ってイケメン病って言われており、嵐の相葉君も左右の肺で1回ずつ気胸を発症したことがあるのは有名ですよね!

自然に気胸になる時は若い世代に多く、交通外傷で受傷する場合は年齢は問いませんので、若い世代から高齢者まで救急部では頻度の高い疾患です。

さらに、胸腔ドレーンを挿入して治療をすることもあり、看護師として絶対に知っておいてほしい疾患になります。

気胸はどんな病気?

肺の表面に穴があき、肺を包んでいる胸膜腔へ空気が漏れ出て正常の呼吸できなくなる病気です。

胸膜腔は通常ごくわずかな液体が溜まっており、吸気で胸郭が広がり胸膜腔が陰圧になり肺が広がって呼吸ができます。

しかし、気胸になると

肺に穴が開き、胸膜腔へ空気が漏れている状態なので陰圧にならず肺が広がりません。

その結果、息が吸えず呼吸が苦しくなります。

気胸は5種類に分類されます

自然気胸について

10~30代のやせ型男性に多く、イケメン病と言われている所以です。

肺の一部が「ブラ」と呼ばれる壁の薄い風船様の状態になり、空気が貯留しています。肺の上部で形成されやすい特徴があります。
この風船がなんらかの拍子に、破裂し穴が開きます。つまり肺の表面にまで穴が開き、呼吸した時に、肺から胸膜腔へ空気が漏れ出てしますのです。

いつ破裂するかは予想できず、激しい運動中など肺へ負荷がかかった時とも限らないと言われています。

自然気胸の原因となっている「ブラ」もどのように形成されるのか、なぜ若いやせ型男性に多いのかも明確な原因は分かっていません。

続発性気胸について

肺疾患(肺がん、肺気腫、肺線維症など)を患っている人に合併して起こる気胸です。肺疾患が原因となり肺表面に穴が開き、気胸を引き起こします。

続発性気胸は60代以降の高齢者に多く見られます。

外傷性気胸について

交通外傷で肋骨骨折をし、折れた骨は胸腔に突き刺さり穴をあけることや鋭利な刃物などで胸を刺された場合に起こります。

穴をあけるだけでなく、肺の血管を傷つけることも多く気胸と血胸を同時に起こすことも多いです。

緊張性気胸について

胸腔内圧が異常に上昇した結果、肺の虚脱や横隔膜低位、縦隔偏位、静脈還流障害により心拍出量の低下を招き、ショックへ陥る可能性があります。

緊張性気胸の主な原因は、人工呼吸器装着患者、外傷、心肺蘇生患者、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪、胸腔ドレーンの閉塞、中心静脈穿刺の合併症など

他の気胸に比べて、肺の穴が大きくその分空気の漏れが多い状態です。
肺や心臓を漏れ出た空気がどんどん圧迫して、呼吸・心停止に陥りやすい重篤な疾患であり緊急の処置が必要です。

月経随伴性気胸について

生理の前後に発症する気胸です。
子宮内膜の成分が肺や横隔膜にでき、生理の時に子宮内膜成分が剥がれ横隔膜や肺に穴が開くことが原因と考えられています。

なぜ子宮内膜の成分が横隔膜や肺にできるのかは判明されていません。

気胸は女性に少ない疾患です。そのため、外傷や緊張性気胸以外で、女性が気胸になった場合はこの月経随伴性気胸を1番に疑い診療します。

ちなみに、私が救急部で勤務しているときは1例も見ませんでした。

気胸になったときの主な症状

の3つが特徴です。

自然気胸の初期段階で穴も小さい場合は、なんとなく胸痛と息が切れるかな?と言う程度で気づかないこともありますが、若いやせ型男性で息苦しいとか胸が痛いと感じるときはまず自然気胸を疑います。

緊張性気胸の場合は高度の呼吸困難やチアノーゼ、ショック症状を認めるので、気胸の中でも重篤です。

特徴は重症になればなるほど、疼痛よりも呼吸困難感が強くなることです。

気胸の検査・診断

  • 胸部レントゲン
  • CT

胸部の胸膜腔内に空気が貯留し、肺が虚脱しているかどうか画像検査ですぐにわかります。
また、肺に気胸の原因となる(ブラや肺疾患など)も同時に診断できます。

気胸の重症度分類と判定

軽度:肺尖が鎖骨レベルまたはそれよりも頭側にある
中等度:軽度と高度の中間
高度:全虚脱

気胸の治療

 安静・自然治癒

軽度の気胸の場合、安静にして経過観察で自然と穴が塞がります。
穴が小さいので、穿刺するリスクもあり有効な治療法がないというのも事実でです。

従って負担になるような行動を避け自宅で安静に過ごしてもらい、外来フォローすることが一般的です。

ただし、気胸を起こしてからどれくらいの時間が経っているかが重要です。
発症から数日の場合は、虚脱による症状が安定していると考えられ、外来フォローでも大丈夫ですが、数時間以内の発症の場合はさらに進行する可能性もあるので経過観察のために入院することもあります。

胸腔ドレナージ

中等度以上が対象となります。

肺にドレーンを挿入し漏れ出た空気を回収し、肺の陰圧状態を保って肺を膨らませる治療法です。

看護師は胸腔ドレーンの挿入介助や管理が必要になりますので、気胸と合わせて覚えてほしいです。

手術療法

気胸になってすぐに手術ということはあまりないです。

手術の対象となるのは

・胸腔ドレナージを行っても肺の虚脱が改善しない
・気胸の再発を繰り返す
・左右両側の気胸の場

特に若い男性に多き自然気胸の場合、いつ再発するか分からないため原因となっているブラを切除することで、気胸の再発を予防するため手術を勧めることが多いです。

手術は基本的に胸腔鏡下手術が第一選択となり全身麻酔で行います。

胸腔鏡(ラパロ)手術では3か所に2㎝くらいの切開をし、肺の病変部をカメラで確認しながら切除します。

手術中に肺と外界が通じ空気や液体が溜まるため、術後は胸腔ドレナージをして終了です。

救急看護の実際

救急外来

呼吸苦や胸痛を主訴に来院されるため、モニター装着と酸素投与を開始します。呼吸音で肺の左右片方ないしは両方に問題があるの確認します。

ルート確保や採血など一通りのことが終わった後、速やかにレントゲン検査を行い診断がつきます。

気胸と診断された場合、ドレナージの適応かどうか判断し該当患者には胸腔ドレーンを挿入します。胸腔ドレーンの準備も全て看護師の仕事です。

若い世代の突然の呼吸苦で来院するは自然気胸の予測が可能なのであらかじめ胸腔ドレーン挿入に必要なものを準備しておくと良いでしょう。

ドレーン挿入の介助を行い、挿入後はレントゲン検査で挿入部位と肺の膨張を確認します。

救急部の中でも外来が、胸腔ドレーンの挿入の介助をする機会が多いので必要物品から挿入中の介助、観察項目など理解しておきましょう。

救急部ICU

緊張性気胸や外傷性気胸により全身状態が不安定な患者が入院対象となります。

気胸には人工呼吸器は禁忌です!

酸素投与と胸腔ドレナージにより呼吸状態の改善を図ります。
ICUに入院する人は循環動態が不安定な場合が多いため、呼吸状態が悪化した時に肺に問題があるのか、それ以外の原因があるのかしっかり鑑別する必要があります。

救急病棟

胸腔ドレーン挿入患者の看護が主です。

【観察項目】

・呼吸状態(SpO2,酸素投与量、胸郭の動きの左右差、呼吸音)
・呼吸性変動の有無
・エアリークの有無
・排液量の推移
・挿入部の感染徴候
・挿入部痛
・挿入位置の変化の有無

呼吸性変動やエアリークなど胸腔ドレーンならではの観察項目がいくつかあります。胸腔ドレーン挿入患者の観察の仕方は理解しておきましょう。

挿入後すぐは、エアリークや排液量は多いですが、次第に減少していきます。
突然呼吸性変動がなくなった場合、ドレーンの先端の向きが肺壁に沿い塞がれている場合が考えられるので、固定の位置は変えずにドレーンを動かす、患者に動いてもらうなどしましょう。

毎日レントゲンで肺の状態を確認し、クランプ→抜管の順になります。

挿入直後は疼痛が強いため疼痛コントロールをしっかり行いましょう。
疼痛が強いと、浅呼吸になってしまい健康な肺で無気肺が起こる可能性や体動が減り、廃用症候群を進行してしまうので要注意です。

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をぜひ参考に。

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