月経に関する悩みを抱えている女性は多いですよね。
PMSは広く知れ渡りましたが、PMDDって知っていますか?
PMSは主に身体的な症状が強く表れ、PMDDでは精神的症状が強いと言われており、どちらも生理前に起こる症状を指します。
生理前の不調に悩んでいるけど、毎月のことだから仕方ない、その日が過ぎれば終わるし…と諦めていませんか?
症状が強い人、気になる人は治療を受けることをお勧めします。
また、男性には理解を得られにくいですが、ただイライラしてる、疲れてるわけじゃないって分かってもらいたいですね!
月経の悩み①月経前症候群(PMS)
月経前3~10日の間続く、身体的・精神的症状で月経開始とともに軽快もしくは消失します。
Pre Menstrual Syndromeを略してPMSと言っています。
【症状】
いらいら・のぼせ・下腹部膨満感・下腹痛・腰痛・頭重感・怒りっぽくなる・頭痛・乳房痛・落ち着きがない・憂鬱、の順に症状が多いと言われています。
月経の悩み②月経前不快気分障害(PMDD)
月経周期における発症時期はPMSと同じですが、焦燥感・不安感・脅迫感・自己喪失感・涙もろさなど精神症状が強く、学業・仕事・家庭生活上、あるいは人間関係上、日常生活に支障をきたすもを指します。
Pre Menstrual Dysphoric Disorderの略でPMDDと言います。
PMDDはPMSの重症例であり、情動関係の症状が中心となり、PMSと混同されていることが多いです。
PMSと同様、月経開始とともに精神的症状が安定すれば良いですが、月経開始語も症状が持続する場合は、PMDDではなく何らかの精神疾患が隠れている可能性があるので要注意です。
月経前の身体的・精神的症状の原因
残念ながら、明確な原因は分かっていません。
ただ、女性ホルモンの中でも特に黄体ホルモンに原因があるのではないかと言われています。
その理由はホルモン分泌に異常がなく、排卵を抑制するとPMSが発症しないことが確認され、黄体ホルモンに対する感受性が高いとうつ状態を発症しやすいということが明らかになっているためらしいです。
ちょっと難しい内容ですが、ひとまず女性の1か月間のホルモンバランスの変化を図で確認しましょう。
1か月で大きく低温期と高温期の2層に分かれます。
この温度は基礎体温と言って、朝起きた時に婦人温度計を口の中に入れて測定した温度のことです。*脇の下で測る温度とは異なりますので注意を。
低温期ではエストロゲンという卵胞ホルモンが分泌されます。このホルモンは子宮内膜を厚くし、受精できる環境を整える役割を果たします。
そして、低温期から高温期に変化するときに排卵が起こります。
排卵前後の数日間が妊娠確率が上がると言われている時期です。
高温期に入ると、卵胞ホルモンは減少し、プロゲステロンという黄体ホルモンの分泌が増加します。
黄体ホルモンは妊娠の準備をしてくれるホルモンですが、妊娠が成立しないと分かると、プロゲステロン・エストロゲンともに急降下している時期がありますよね。この時期がちょうど月経3~10日前にあたる期間で、PMS・PMDDが出現する時期になります。
エストロゲンとプロゲステロンの主な役割
エストロゲンは健康を促進させる役割が多いです。
プロゲステロンは妊娠に関わるホルモンなので、女性ならではの働きを整える役割を担っています。
このように1か月間で女性ホルモンは変化します。
月経前症候群(PMS)になりやすい人
これも明らかではないですが、ストレスを抱えている人と言われています。
最近では、何でもストレスが原因と言われるので少し納得できないってのが本音ですが…
大前提は月経周期があることなので、初潮を迎えてすぐの中学生など若い世代では起こりづらいです。
PMSの症状を認めやすいのでは20代後半~30代前半の女性と言われています。
この年代は仕事、結婚、出産、子育てなど、ライフイベントや環境の変化が多くストレスやプレッシャーを感じやすい時期と言え、将来に関する悩みが多く生活しているだけでストレスにさらされていると言っても過言ではないです。
日本では月経のある女性の7~8割は月経前に何らかの症状を認めているというデータがあります。
月経前症候群(PMS)と診断されるには
基礎体温表と合わせて精神的・身体的変化を具体的にしていきます。
月経前に上で述べたような症状が出現し、月経開始前後に症状が緩和されることが前提です。
医師の問診で
- 過去3ヵ月以上連続してPMS特有の症状のうち1つ以上があるか
- 月経前のどのくらいの時期に症状があるか
など、基礎体温の変化と精神的・身体的症状を具体的にすることで診断されます。
ただし、これらの症状が月経前に出現し、月経開始前後に症状が緩和されることが前提です。
チェックが1つでもついた方はPMSの可能性があります。症状があり生活に支障をきたしている、悩んでいる、改善したいと言う方はぜひ婦人科を受診して下さい!
月経前不快気分障害(PMDD)と診断されるには
基本的にPMSと同様に基礎体温表を確認し、月経前に症状が出現し、月経開始前後に症状が緩和されるということが前提になります。
その上で、以下のような精神的な症状が強く出る方はPMDDの可能性があります。たいていの場合、PMSの身体的な症状に加えPMDDのような精神的な症状を伴っていることが多いです。
1つでもチェックがある方は婦人科へ行ってみましょう。
もし、月経に関係なくチェック表の症状が続いている方は、PMDD以外の精神的な問題が隠れている可能性があるので尚更、病院受診を勧めます。
月経前症候群(PMS)と月経前不快気分障害(PMDD)の治療法
カウンセリング
認知療法とも言われていますが、まずはどれくらいの時期にどのような症状が出やすいか、持続するかを把握することから始めます。
カウンセリングで個人の症状や悩みを明確にすることが目的です。
生活指導
規則正しい生活、3食きちんと食べる、十分睡眠をとる、甘いものやアルコールは控えるなど…
もはやありきたりな内容です。
はっきり言って、改善できるなら医師に言われなくてもやってるよ!と言いたくなる内容ですよね。
こんな生活が理想的ですが、現代女性は仕事、家事、子育てに追われる日々でストレスを減らす生活なんて程遠いのが現実です。
毎日こんな生活を送るのは到底無理なので、PMSが出やすい時期だけ意識してみませんか?
- ご飯は無理して作らない(夫には外食を勧める、お惣菜を買ってくるなど)
自炊の方が経済的ではありますが、この期間だけ献立や買い物、お皿洗いから解放されても良いのでは?夫婦や家族で外食に行くのもよいし、お惣菜だってバランスを考えば問題ないでしょう! - ゆっくりお風呂につかり早く寝る
ご飯の支度がなくなれば、かなり時間が確保できるはずです。入浴剤でも入れてゆっくりお風呂に入り、普段よりも早くベッドへ行きましょう。 - 甘いものやアルコールは無理のない範囲で我慢
ゼロにするのは無理ですよね。例えば、この期間だけ高カカオのチョコレートに買える、ヨーグルトなどヘルシーなものを意識する、アルコールは1杯まで、おつまみのような食事は避けるなど。簡単なことで構いません。
月経前症候群の期間だけ、こんな生活に変えてみることならできそうじゃないですか?
1つでも少しでも楽をしましょう!
薬物療法
社会生活に支障をきたすほど、症状が強い場合は内服で症状の緩和とコントロールを図りましょう。
- 身体的な症状:EP配合錠
(エストロゲンとプロゲステロンが配合された内服薬で排卵を休める効果があります) - 頭痛や腹痛:鎮痛剤
- 情緒不安定:精神安定剤
- うつ状態:SSRI
- 便秘:整腸剤
- 吐き気:制吐剤
- 不眠:睡眠導入剤
- むくみ:利尿剤
など。月経前症候群なんかで薬なんて大げさ?と思うかも知れませんが毎月症状が強く悩むより、思い切って薬を飲んで治療を受けた方が自分も家族も絶対に快適になります!
薬に抵抗があるという方は、漢方薬もあります!漢方薬は効き目が出るのに時間はかかりますが副作用の心配も少ないので抵抗なく飲みやすいかも知れませんね。
月経前症候群(PMS)と月経前不快気分障害(PMDD)のまとめ
- PMSの中でも精神症状が強くより重症なのがPMSS
- 20代後半~30代前半女性に多い
- 月経がある女性の7~8割の人が何らかの症状を持っている
- 月経前3~10日に症状が現れ、月経開始前後に軽減・消失する
- 原因は明らかでないが、女性ホルモンのプロゲステロンが作用している
- この期間だけ生活を楽にしてみることで効果あり
- 社会生活に支障をきたしている人は内服治療がおすすめ
月経は毎月のことなので、できれば悩まず過ごしたいですよね。
なんで女性だけこんなに大変なの?不平等だな。と思ってしまいますが、症状が改善されれば家族みんなハッピーです!