海外赴任が決まったら予防接種を!前編【日本脳炎、破傷風、A・B型肝炎、狂犬病】

海外赴任が決まったら、まず確認したいことは予防接種です!

荷物の準備はギリギリでも間に合いますが、予防接種はスケジュールを組んで計画的にしなければ間に合いません。

大丈夫だろう?と甘く見ていませんか?

日本よりも医療水準の低い発展途上国に行く場合、万が一感染症になった場合医療環境も不十分ですので治療も長引きますし、治療を受けている間に別の感染症になるということもあり得ます。

自分は大丈夫と甘くみずに、出来る予防はきちんとしていきましょう。

日本脳炎

日本脳炎ウイルスが原因となり蚊を介して感染します。
日本脳炎の潜伏期は6 〜16 日間。

症状

数日間の高い発熱(38 〜40 ℃、それ以上もある)、頭痛、悪心、嘔吐、めまいなど。
小児の場合は腹痛、下痢を伴うことも多い。

上記の症状に続いて、
項部硬直(首を持ち上げようとすると硬くなっている)、光線過敏(光がまぶしいなど)、意識障害とともに、神経系障害を示唆する症状(筋強直、脳神経症状、不随意運動、振戦、麻痺、病的反射など)。
麻痺は上肢で起こることが多く、中には脊髄障害や球麻痺(飲み込みや発音ができなくなる)こともあります。

死亡率:20〜40%

精神神経学的後遺症:生存者の45〜70%。小児では特に重度の障害を残すことが多いです。
(パーキンソン病様症状や痙攣、麻痺、精神発達遅滞、精神障害など)

渡航地域

東南アジア・南アジア

予防接種

初回接種後、1~5週間以内に2回目、1年後に任意追加の3回目。

破傷風

破傷風菌が産生する毒素が原因で感染します。
破傷風菌は熱や乾燥に強い菌なので、世界中どこの土壌にも存在しており予防的な環境を作るのは難しいと言われています。

汚い現場で傷を負ったり、傷がある手で土いじりなどをして感染することが多く、潜伏期間は3~21日。

症状

第一期:開口できず、歯が噛み合わされた状態となるため、食事の摂取が困難となります。首筋が張り、寝汗、歯ぎしりなどの症状も認めます。

第二期:開口障害が悪化する。さらに顔面筋の緊張、硬直によって額に「しわ」ができる。、あたかも苦笑するような痙笑(ひきつり笑 い)といわれる表情を認め、このような顔貌を「破傷風顔貌」と言います。

第三期:生命に最も危険な時期であり、首の筋肉が緊張し硬くなるます。次第に背筋 にも緊張、強直をきたして発作的に痙攣がみられ、病的反射は意識しないでも手足が勝手に動く不随意運動が見られます。

第四期:全身性の痙攣はみられないが、筋の強直、腱反射亢進は残ります。
症状は次第に 軽快し、破傷風では開口障害から、全身性痙攣(第三期)が始まるまでの 時間をオンセットタイムといい、これが48 時間以内である場合、予後不良で死亡や後遺症が残ることが多いです。

死亡率:30%

創部を適切に治療すること、清潔を保つこと、追加の予防接種をすることで予防ないしは重篤化を防ぐことができます。

渡航地域

世界中どこでもと言うのが正しいです。
特に長期滞在者で工事現場など土壌に触れる機会が多い人は推奨します。

予防接種

初回接種後、4~8週間以内に2回目、6~18か月以内に任意接種の3回目。

A型肝炎

A型肝炎ウイルスが原因です。
ウイルスを持っている人の糞便中に排泄され、糞口感染で伝播するので衛生環境に影響されやすい感染症です。
潜伏期間は2~6週間。

症状

発熱、倦怠感、食思不振、嘔吐などの消化器症状が中心です。
また急性肝障害の症状である黄疸、肝腫大、濃色尿、灰白色便など を認めます。

一般的には1〜2カ月で回復し、慢性化はせず予後良好です。
成人では小児に比べ、臨床症状も肝障害強い傾向があるのが特徴で、肝臓以外の合併症としては急性腎不全、貧血、心筋障害などがありますが、発症する人はごくわずかです。

渡航地域

中国、インド、東南アジア地域 での感染

予防接種

輸入ワクチンは初回接種し、6~12か月後に任意摂取の2回目。
国内ワクチンは初回接種し、2~4週間後に2回目、6か月後に3回目。

B型肝炎

B型感染ウイルスが原因となる感染症です。
母子感染は海外赴任中はないと思うので、気を付けるべき感染経路は水平感染です!
B型肝炎を持っている人に使用した医療機器を使い回す、ピアスをあけるなどで感染します。
潜伏期間1~6か月

症状

比較的緩徐に発病します。

微熱が続き、食欲不振、全身倦怠感、悪心、嘔吐、右季肋部痛、上腹部満腹感など。
時間が経ると黄疸を認めるようになり、成人例で30~50%、小児例では10%以下で起こります。
重症例を除いて、自然治癒する傾向が強い感染症であり1か月程度で回復することがほとんどです。

治療が遅れた場合、まれに劇症肝炎に発展することもありそうなると命に影響を及ぼす危険もあります。

渡航地域

アジア・アフリカ(B型肝炎を保持している人が全人口の8%以上と言われています)

日本・ヨーロッパ・北米は2%以下です。

予防接種

初回接種し、4週間後に2回目、6か月後に3回目。

狂犬病

狂犬病ウイルスを保有するイヌ、ネコおよびコウモリを含む野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口からの侵入する接触感染症。
濃厚なウイルスによる気道粘膜感染によって発症する人獣共通感染症である。
潜伏期間1~2か月

症状

発熱、頭痛、倦怠感、筋 痛、疲労感、食欲不振、悪心・嘔吐、咽頭痛、空咳等の感冒様症状で始めます。

咬傷部位の疼痛やその周辺の知覚異常、筋の攣縮を伴う。脳炎症状は運動過多、 興奮、不安狂躁から始まり、錯乱、幻覚、攻撃性、恐水発作等の筋痙攣を認めます。

最終的には昏睡状態から呼吸停止で死に至ります。
狂犬病は一度発症すれば、致死率100%です。

渡航地域

アジア、アフリカ:犬、ネコ
アメリカ、ヨーロッパ:キツネ、アライグマ、スカンク、コウモリ、ネコ、犬
中南米:犬、コウモリ、ネコ、マングース

動物に噛まれた場合はすぐに病院へ行きましょう。
暴露後ワクチンを接種し発症を予防することができます。

初回ワクチン接種日を0日とし、3日、7日、14日、30日、90日の計6階皮下注射します。

予防接種

暴露前予防接種と言い、暴露後のワクチンと成分は一緒です。
発症を遅らせることができます。

国産ワクチンの場合、初回接種し、4週間後に2回目、6~12か月後に3回目の任意接種。
輸入ワクチンの場合、初回接種し、1週間後に2回目、3~4週間後に3回目、1年後に4回目の任意接種。

続きの【腸チフス・髄膜炎・ポリオ・ジフテリア・黄熱病】

も参考にしてください!

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